1.はじめに
1.1 自己紹介
福丸様
ファシリテータを務める福丸マネジメントテクノの福丸です。私は日本電信電話株式公社(現NTT)に入社し、その後、NTT関連会社のコンサルティングやISO認証サポートを行い、独立しました。最近ではセミナーの講師やコンサルタント業務を主に行っていますが、審査活動も続けています。また、品質マネジメントシステム規格国内委員会の委員も務めており、品質マネジメントシステム規格の開発に長年携わってきました。本日は、皆様方のご意見を聞きながらディスカッションしていければと思います。
伊藤様
日本能率協会 審査登録センターの伊藤と申します。私は建設業で土木関連の仕事をしていましたが、転職し、日本能率協会に入りました。日本能率協会へ入職後、審査登録事業部門に配属され、審査計画責任者、審査員教育の責任者、新規のマネジメントシステム審査サービスの開発の責任者などを担当し、その後、審査部門の責任者を長く担当しています。審査員としては、品質、環境、労働安全衛生、情報セキュリティ、道路交通安全、事業継続の各マネジメントシステムを担当し、また、マーケットリサーチサービスの製品認証も担当しています。
佐藤様
日本規格協会ソリューションズの佐藤と申します。私は新卒で日本規格協会に入職後、規格の販売部門を経て、審査登録部門に異動し、以後20数年間、審査登録機関の職員として働いています。この間、営業、登録組織様への対応、認定機関対応などを担当し、現在は事業部長として全体を見ています。審査員としては、情報セキュリティ、品質、環境を担当しています。審査登録機関の職員として働きながら審査員活動も行っています。
大日向様
住友林業の大日向と申します。私は入社以来、建物、住宅の現場管理を担当しておりましたので、伊藤様と同じ建設畑の人間です。昨年、品質と労働安全衛生のJRCA審査員資格を取り、第二者監査を中心に監査員として活動しています。
平野様
NECファシリティーズの平野と申します。現在は主に社内の環境管理を担当しています。NECファシリティーズには昨年、転職しましたが、以前には外資系の会社で、環境、健康、労働安全を管理する部署で、ISOに携わる業務を10年ほど経験しておりました。
1.2 JRCA審査員資格を取得された方々へのアンケート結果
福丸様
今回の座談会は、「審査登録機関での審査員活動を知る」がテーマとなります。伊藤さん、佐藤さんは、審査登録機関の長として、また、第一線での審査員としても活躍されています。
一方、大日向さん、平野さんは、企業に所属されマネジメントシステム業務に携わられていますが、昨年JRCA審査員資格を取得され、審査登録機関での審査員の仕事に関心をお持ちの方々です。
本日は、審査登録機関での業務や審査員活動について意見交換をしていただきますが、伊藤さん、佐藤さんには審査登録機関の立場であると同時にJRCA登録審査員の先輩として、アドバイスをいただきたいと思います。
まず、昨年度上期にJRCAに新規登録した審査員の方々へのアンケート結果を見ていただきたいと思います。最初の質問は、JRCAの審査員に登録された目的です。複数回答のアンケートですが、約半数の方が、「審査機関に従事するための力量習得」と回答しています。また、45%の方が「将来のセカンドキャリア資格活用」と回答しています。
その次に審査登録機関での審査員業務への関心の深さですが、8割の方が審査員業務に興味をお持ちで、将来、審査登録機関での審査員としての活躍を希望される方が64%となりました。
また、審査登録機関審査員に聞いてみたいことという質問項目については、「審査員として備えるべき力量、資質」という回答が最多となっていました。力量は非常に重要で、力量がないと質問も評価もできません。また、審査員の待遇面、セカンドビジネスとしての審査員なども関心が高いという結果となっています。私も審査に初めて行ったときは、分からないことばかりでしたので、座談会の中でこれらの疑問点についてもぜひ、教えていただきたいと思います。
大日向様
JRCA登録審査員の中には、私と同じように内部監査に必要な力量ということで資格を取られた方が結構いらっしゃるということと、今後、審査員補から審査員、主任審査員として格上げを行うというキャリアを考えている方も結構多くいらっしゃるなという感想を持ちました。
平野様
アンケートの回答率が20%となっていますが、回答をされなかった方はどう考えているのかが気になります。
福丸様
私が担当している審査員研修の受講生の方に話を聞くと、審査員になりたいという人は少なく、組織内での内部監査を充実させたいという話をよく聞きます。また、場合によっては、組織からの指示で受講するという方もいますので、そのような方は多分、回答はしていないと思います。
ただ、アンケートは、一般的なアンケート回答率は10%程度だと思いますので、20%の方が回答したというのは、何らかの目的を持ってJRCAに登録したという結果が表れているようにも思います。